月刊秘伝2000年7月号

 

4月28日、淡路花博の会場内のステージで午後2時30分から約1時間にわたり総合実戦武術功朗法、横山総師範ほか4名による実用護身術と古武器術の演武が行われた。

 今回の演武では刀などの古武器術の技をどのように現代に護身術として応用するかということに焦点が絞られた。

 横山総師範は常に「ナイフを持った程度の暴漢すら撃退できない技術は武術と呼ばない」という持論だが、今回の演武は一般の人達に実用護身術の基本術理を紹介する絶好の機会となった。

 まず横山総師範は総合実戦武術功朗法の基本理念について「素手による体術拳法を基本とし、身辺の日常的なものを武器として戦うことのできる実用的な護身術である。独特の身体の脱力運動と集中力によって爆発的な速度や破壊力を瞬時に発揮して敵を制し、敵の攻撃を独特の体さばきによって無効にできる。」と解説。特に実用護身術は治安の悪い海外での暴漢との対戦経験や海外での指導経験を盛り込んで実用的にアレンジされたものであることを説明。そして「演武は実戦に近い状況で行い、攻撃側は攻撃タイミングやフェイントなども自由で、本気で相手を倒すつもりで仕掛ける。防御側はこれを実戦と同様に制する。」と付け加えた。

 演武はフランス人女性の生徒を含む5人で行われ、まずゆっくりとした動きで技や体さばきを解説、次に実戦的な速度と動きで行われた。

 特に演武のなかでも投げもの術は貴重な解説と実証が行われ、戦国時代や江戸時代に護身具として捕縛用具として使われた目つぶし、投げ針の構造や使用法の説明。

特に棒手裏剣の後部に開けられた穴に布片を付けることで空気抵抗が得られ、手裏剣術を知らない人が投げても必ず先端から刺さることや、畳針に紙コヨリを付けることで投げ方に関係なく先端が刺さる投げ針となることなど横山総師範の独自の研究によるいわば秘伝が公開された。その後、現代でも活用できる護身具としてフイルムケースを利用した目つぶしの製作法や、金属ボールペンに紙片を付ける事で手裏剣とする方法などが公開された。

 試し割では横山総師範が指2本で5枚重ねの板に触った状態から板を割り、更に10枚重ねを手の平で触った状態で割ることによって、脱力による内的エネルギーの実証を行った。

 その後、察知術では横山智聡(中学3年)が背後からの刀による攻撃を振り向かずにかわすなどの演武がおこなわれ、観客から大きな拍手があがった。

試し割り。筋力や体力に頼らずに爆発的エネルギーを発する方法があることを証明
察知術。後ろからの攻撃を振り向かずにかわす。
横山智聡(中学3年)と西師範の短刀捕り