月刊BUDO-RA2003年 Vol,5

 

現代を生き抜くための護身術
【第一回】対ナイフ
 合理的な身体操作法を基本とした護身術を追求する功朗法。さまざまな武器や状況を対象とし、幅広く柔軟でリアルな対応を目指している。この連載では、武器や状況に応じた対処の方法を紹介していく。

横山雅始
1954年生まれ。
中学校で竹内流柔術を始め、以後、糸東流空手、陳式太極拳などを学び、現在の功朗法を創始する。
南欧を中心に各国を訪問し、南フランスの警察隊、イタリアの武道団体などを指導。
現在、世界各国での指導に加え、日本国内でのセミナー活動に多忙を極めている。
フランス功勲促進委員会より十字勲章。
フランス名誉市民賞。
総合実戦武術功朗法総師範。国際武術文化研究会。

相手が突発的に武器を出してくる。このケースが、まず最初に考えられるでしょう(@)

体育の時間になどに行われる「休め」のポジションになり、重心を後ろへ移動させ、手を顔にひきつけて構えます(A)

相手が刺してきたら、腰を右へ切って重心を前に移動させます(BC)

相手が刺してくるとき、腰を引いて逃げようとする動作は、本能によるものです(DE)

意識的な動作では間に合いませんから、腰を引くことを否定せずに利用し、そこから腰の回転と前足への重心移動(F)を、一瞬で行えるように訓練するのです。

相手に胸をつかまれて、ナイフを構えられた状態です(G)

この状態で、力を入れてはずそう、逃れよう、とすると、相手も拮抗しますから(H)そのまま刺されてしまいます(I)

力を抜いていれば、相手は反射することが出来ません(J)

体全体を一瞬で右へ回転させながら、右手で相手の右手を捕り、左手を、相手の右肘へ乗せます(K)

肘関節の可動域が限界となり、これ以上は折れるという意識になり、相手は大きく崩れていきます(L)

相手の右手を捕る右手、左肘に乗せる左手とも、力を抜き高速で動かすことが大切です(M)

力を抜くと、筋肉が硬直せず高速で動けますし、相手の体に密着します。力が入ると、接点も小さくなってしまうのです(N)

奥襟を持たれて、ナイフを構えられた状態です(O)

ここで、刺されまいとして踏ん張っても、ナイフを呼び込むだけです(P)

奥襟を持たれたら(Q)左手を相手の右腕にかけます(R)

このとき、顔の横を相手の手に密着させていなければ、手がはずれてしまいます。息を吐きながら腕力に頼らず、脱力をして体重を乗せれば、相手は真下へ崩れます(S)